モニエル瓦とは、ヨーロッパ発祥のセメント瓦の一種で、セメントと川砂を混ぜ合わせて作られる「乾式コンクリート瓦」のことです。主な内容成分がセメントであるため、塗装しなければ瓦自体に防水性能はありません。
モニエル瓦はセメント瓦の一種ではありますが、瓦表面の処理が特殊なため通常のセメント瓦とは少し違います。
よく似た形状でセメント瓦もありますが、モニエル瓦か?セメント瓦か?の見分け方は瓦の小口(厚み部分)にあります。
小口が凸凹(でこぼこ)になっていたらモニエル瓦です。
瓦の形状だけで判断せず、小口を見ましょう。
モニエル瓦には、着色スラリーというセメントの着色剤を厚めに塗られており、さらにその上をアクリル樹脂系のクリアー塗料で覆って完成させます。
施工性が良く、豪雨や強風にも耐える防水性を備えています。また、断熱性や耐震性にも優れているだけでなく、デザインにも多様性がある大変有能な屋根材なのです。
しかし、有能であるモニエル瓦は「塗装する」となると数ある屋根材の中でも1番厄介な屋根材とも言えます。
モニエル瓦には着色スラリーという着色剤を塗っているため、瓦の表面には「スラリー層」と呼ばれる層が出来ています。
モニエル瓦を再度塗装する場合は、このスラリー層を綺麗に取り除いた後に塗装を行う必要があります。もし、このスラリー層が残った状態で上から塗装してしまうと劣化したスラリー層と一緒に塗装が剥がれてしまう原因となってしまうからです。
そのため、モニエル瓦を塗装する際には、細心の注意が必要です。
モニエル瓦塗装時の注意点
「スラリー層」を取り除かないと施工不良になる恐れ
モニエル瓦は塗装を行う場合は瓦表面にある「スラリー層」を徹底的に取り除かなければならないため、細心の注意が必要です。経年劣化により脆くなったスラリー層を綺麗に取り除かずに上から再塗装をしてしまうと、古いスラリー層と一緒に塗膜が剥がれてしまいます。
そのため、入念に高圧洗浄を行い「スラリー層」を完全に除去しないと、施工不良の原因にもなります。
また、スラリー層を高圧洗浄で除去する際はかなり汚れた水が出ます。それが近隣の住宅へ飛散しないようにすることにも注意が必要です。
モニエル瓦専用の塗料を使用する
モニエル瓦には「モニエル瓦専用塗料」が存在します。モニエル瓦の塗装では使用する塗料にも注意が必要で使用ができない塗料を使ってしまうと早期劣化、施工不良の原因にもなりかねません。
業者に見積りを依頼した場合には、その見積りに「塗料の商品名」を記入してもらい、それがモニエル瓦でも使用可能な塗料なのかどうかを確認しましょう。
商品名が分かれば、最悪の場合、自分で調べることも可能です。
しかし、商品名が分からないと調べることもできませんので、必ず何の塗料が使われるのは把握できるようにしておきましょう。
次にモニエル瓦の専用塗料を紹介いたします。
【モニエルパワープライマー/株式会社アステックペイントジャパン】
スラリー層への浸透性に優れており、塗膜剥離等の表面劣化を抑えることができます。また、水性塗料であるため、環境にも配慮した塗料です。
また、上塗り材に溶剤系塗料の使用も可能なため、選べる上塗り塗料のバリエーションも増えます。
【マイティーシリコン/オリエンタル塗料工業株式会社】
優れた耐候性、防カビ・防藻性を持つ塗料です。浸透性、密着性にも優れており、下地材が必要ない塗料です。
また、塗料に鉛を含まない顔料を採用しているため、刺激臭も少なく、環境に配慮した塗料です。
【クールくんマイティーシリコン/オリエンタル塗料工業株式会社】
乾式コンクリート瓦専用の遮熱塗料。太陽光を塗装膜で効率よく反射させ、屋根材の屋輻射熱と蓄熱を軽減します。屋根から室内に伝わる熱を抑える事がでる塗料です。
いかがだったでしょうか。モニエル瓦を長期的に長持ちさせるには塗装が必要です。
モニエル瓦の塗装を正しく行うためには、徹底した下地処理とスラリー層の除去が必要です。また、塗料メーカー各社からモニエル瓦に適した専用の塗料も発売されています。この記事で挙げたポイントを頭に入れた上で、モニエル瓦の塗装を検討してみてください。
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